海水水槽のケイ酸塩を測ってみた|水源10ppm、水槽4〜6ppm、底砂周辺との差は?

藻・コケ対策

海水水槽の底砂に茶色っぽい付着物が増えてきたので、今回はケイ酸塩(Silicate)を実際に測ってみました。

最初に気になったのは、「底砂の周辺だけケイ酸塩が高くなっているのではないか?」ということです。

茶褐色の付着物が珪藻を多く含んでいる場合、ケイ酸塩は増殖に関係する重要な成分です。そこで、水槽の上層・中層・底砂直上・底砂内部と、場所を変えて測定しました。

さらに、水換えに使っている浄水器TK-HS92C1通過後の水も測定し、水槽へ入る前と入った後でどのくらい違うのかを確認しました。

今回測った場所

測定したのは、浄水器通過水、水槽上層、水槽中層、底砂直上、底砂周辺、底砂内部です。

今回の測定値は、家庭用の比色式テストキットで色を見比べて読み取った概算値です。特に4〜6ppm付近のような近い値は、細かな差まで正確に区別する目的ではなく、「大きな濃度差があるか」を見るための測定として扱っています。

浄水器を通した水は約10ppm

浄水器TK-HS92C1通過後の水。約10ppmと読み取りました。

まず、水換えに使っている浄水器通過後の水を測定しました。

結果は、約10ppm。

この結果から、少なくとも現在使っている水には、ケイ酸塩がある程度含まれた状態で水槽へ入っていることが分かりました。

水槽上層は約4〜6ppm

水槽上層。約4〜6ppmの範囲と判断しました。

水槽上層では、浄水器通過水より低く、約4〜6ppmでした。

この時点で、水槽へ入る前の約10ppmよりも、水槽内では低くなっていることが分かります。

水槽中層も約4〜6ppm

水槽中層。上層と大きな差はありませんでした。

次に水槽中層を測りました。

結果はこちらも約4〜6ppm。上層との差は、今回の測定ではほとんど分かりませんでした。

底砂直上・底砂周辺も大きな差はなし

底砂直上の水を採取している様子。
底砂周辺。上層や中層と大きな濃度差は見られませんでした。

今回、特に確認したかったのが底砂周辺です。

底砂の表面には茶色っぽい付着物が増えていたため、最初は「底砂の近くだけケイ酸塩が高いのでは?」と考えていました。

ところが、結果は水槽上層や中層とほぼ同じで、約4〜6ppmの範囲でした。

底砂内部も約4〜6ppm

底砂内部から採水した試料。こちらも約4〜6ppmの範囲でした。

さらに、底砂の中からも水を採取して測定しました。

ここでも、今回の比色測定で分かるほどの大きな上昇はなく、約4〜6ppmでした。

つまり、今回測った範囲では、水槽上層・中層・底砂直上・底砂内部で大きなケイ酸塩濃度の差は確認できませんでした。

結果をまとめると

測定場所ケイ酸塩の読み取り
浄水器TK-HS92C1通過水約10ppm
水槽上層約4〜6ppm
水槽中層約4〜6ppm
底砂直上・周辺約4〜6ppm
底砂内部約4〜6ppm

一番印象的だったのは、底砂の近くだけ特別に高いわけではなかったことです。

「底砂からケイ酸塩が出ている」という仮説は弱くなった

測定前は、底砂の汚れが目立つことから、底砂やライブロック周辺でケイ酸塩が局所的に高くなっている可能性も考えていました。

しかし今回の測定では、上層から底砂内部まで大きな差がありませんでした。

そのため、少なくとも今回の水槽では、「底砂だけケイ酸塩濃度が高いから、底砂に茶色い付着物が増えた」という説明はしにくくなりました。

もちろん、水槽内では常に水が循環しています。底砂表面でケイ酸塩が利用されていても、周囲の水からすぐ補給されれば、家庭用テストキットで局所的な差として見えない可能性はあります。

なので今回分かったのは、「底砂付近に大きな濃度差は確認できなかった」というところまでです。

水源10ppm、水槽4〜6ppm。この差は何だろう?

もう一つ気になったのが、浄水器通過水では約10ppmだったのに、水槽内では約4〜6ppmだったことです。

つまり、水槽へ入る前より、水槽内ではケイ酸塩が少なくなっています。

最近、この水槽では茶褐色の付着物が増えています。

もし、この茶褐色の付着物に珪藻が多く含まれているのであれば、水槽内のケイ酸塩が珪藻などに取り込まれ、濃度低下の一因になっている可能性はあります。

ただし、今回の茶色い付着物を顕微鏡などで同定したわけではありません。

そのため、「茶色い付着物=珪藻」「ケイ酸塩が減った原因=珪藻」とまでは断定できません。

現時点では、観察結果と測定結果を合わせると、そう考えると説明しやすい、という仮説です。

今回の測定で分かったこと

今回の結果を一言でまとめると、「水槽全体にはケイ酸塩が残っているが、底砂周辺だけ特別に高いわけではなかった」です。

そして、水槽へ入れる水が約10ppm、水槽内が約4〜6ppmだったことから、ケイ酸塩は水槽内で何らかの形で減っていることも分かりました。

私が今回の測定で特に面白いと感じたのは、見た目では底砂の汚れが一番目立っていたのに、ケイ酸塩濃度は底砂周辺だけ高いわけではなかったことです。

水槽の「どこが汚れるか」は、栄養塩の濃度だけで決まるわけではなく、光、水流、表面の状態、そして貝などによるグレージング(藻食生物による摂食)まで含めたバランスで決まるのだと思います。

次はケイ酸塩吸着剤を使ってみる

次の検証では、ケイ酸塩を吸着するろ材を使い、水槽内の4〜6ppmが実際に下がるのかを継続して観察する予定です。

本来であればRO(Reverse Osmosis:逆浸透膜)ろ過器を使って、水槽へ入れる段階からケイ酸塩を減らす方法もあります。

ただ、ROろ過器は導入費用がかかります。

そこで今回は、もっと導入しやすい方法として、ケイ酸塩吸着剤がどこまで使えるのかを実測してみます。

吸着剤を入れた後は、ケイ酸塩の濃度だけでなく、茶褐色の付着物の増え方にも変化が出るのかを写真で追っていくつもりです。

まとめ

今回、浄水器通過水と水槽内の複数地点でケイ酸塩を測定しました。

浄水器通過水は約10ppm、水槽内は約4〜6ppm。

水槽上層、中層、底砂直上、底砂内部では、今回の測定では大きな差は確認できませんでした。

そのため、底砂の茶色い付着物を「底砂周辺だけケイ酸塩が高いから」と説明することは難しそうです。

一方で、水槽へ入る前より水槽内のケイ酸塩が低かったことは確認できました。

最近増えている茶褐色の付着物との関係はまだ仮説の段階ですが、次は吸着剤を使ってケイ酸塩を減らし、付着物の変化まで追ってみます。

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